母の雛人形。
戦前のもので、小さく質素な木目込みだが、実に顔がキレイで可愛らしく、古風でもある。
子供の頃、飾り付けは僕の役目だった。
しかし大人になり、節句というものへのワクワク感がなくなり、飾らなくなって数十年...。桐の箱の中で、雛たちは何を 思っているのだろう。毎年巡り来る桃の節句に、今年こそは! とソワソワする気も失せたんじゃないだろうか。
人の、一年分の穢れを引き受けてくれる、形代としての雛たち。彼らを顧みないと、人は汚れ切ってしまう事になりはしないか? そんな思いを、春らしく陽気な舞台に込めたい。
本物の装束を惜しげもなく使える、この贅沢さと同じ心の贅沢さを、皆さんに味わって頂くよう頑張る所存です!
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